149.『捨てて絞り尖る(ステテシボリトガル)』
2025年03月01日
どれほど私の全てを捧げても全く思うように伸びず、むしろ反発ばかり、何度こころを折られ、裏切られ続けただろう。
本当にやっと
やっと、ひとつ、形になった。
ひとりの人間を教育することが如何に難儀かを噛みしめ続けた今日までの日々。。
一度言えば想定以上の成果を残してくる優秀な稲妻宣言の若い衆を背景に、
圧倒的不出来な私の息子が人生で初めての「PRIZE」を獲得した。
息子が通っているプログラミング教室で行われる、プログラミング技術発表会。
技術発表会の内容は、発表者が自作ゲームを担当メンターのアドバイスを参考に創作して発表する。
その
「ストーリー性」
「ユーモア性」
「デザイン性」
「テクニック性」
の観点から
会場の観客みんなで評価をし合い、
最後に締めとしてプログラミングのプロフェッショナルとして活動している審査員が発表者のひとりだけに「賞」を与える。
みんなの発表の主軸である3D(立体)ゲームの迫力は凄まじく、2D(平面)ゲームはそれと比べるとやはり見劣りはする。
分かりやすく説明すればプレイステーションの画面とファミコンの画面くらい迫力に差はあるであろう。
しかし、次の発表会まで数ヶ月しかないことを考慮すると、
3Dゲームだとプログラミングコードがかなり複雑になり
「勝てる作品に昇華」させるまでには至らないと芝浦工大首席である担当メンターが判断し、
3Dゲームは今回捨てて2Dゲームに絞り尖らせる戦略で挑んだのだった。
息子からするとこれで3度目の挑戦。
毎度3Dゲームで挑んでは、つまづいて作品制作工程40%かそれ以下の所で発表になってしまい賞に至らず唇を噛んだ。
前回負けた時一緒に帰る道すがら
「来年はちょっと本気で賞を獲りにいこう」と伝えたが
無理っぽい当時の弱々しい息子を見てはがゆかった記憶が鮮明によみがえる(笑)
だが今回は、
総合的に見て、正直息子の2Dゲームのプレゼンは、他の3Dゲーム発表者達より頭ひとつ抜けて優れていた。
発表会というゴールから当日までを逆算して、今日何をどれだけやるべきかをきちんと割り出しそれを確実に積み上げていく。
担当メンターの分析と采配と導きと戦略が本当に光った。
やっぱりどこでも一番(首席)になるような人は、きちんと一番(首席)になる理由があるなぁ。。
とつくづく感じさせられた。
また、息子のクリエイターネームも
冴えない「チベスナ(※チベットスナキツネの略)」から、
息子自身が書いている創作小説のタイトルである「真夜中のモノローグ」へと
「稲妻宣言」を足場屋の屋号にして大ヒットさせた私の采配で
「こころ新たに」
の想いを込めて変更させた(笑)
色々な人の知恵と発想と彼自身の努力が今回の受賞へと導いた。
私が息子に圧倒的に与えたかったもの。。
それは「自信」です。
お金でもモノでも環境でも何でもなく、とにかく「自信」。
「自信」さえあれば壊れても何度でも這い上がれるし、立ち上がれる。
「自信」は、お金やモノとは違って我々親が与えたくても直接は与えられない厄介なもの。
息子自身が自分で計画して努力して成功しないと実にならない。
この純粋に自己責任を全うし続けることの積み重ねでしか「自信」は、得られない。
だから親がどれだけ願おうが手を貸そうが応援にはなっても
「根源的な自信」は
それ以上にもそれ以下にもならない。
だから難しい。
小さな成功を馬鹿にせずひとつひとつ大切に達成していく。
それがいづれでっかい自信になり、でっかい成功になるのです。。
と、話は飛んでしまったが
欲望のまま全部やろうとするのでなく、
「時間軸」で考えて
敢えて捨てて
絞り
尖らせたことによって
「ファミコンでプレイステーションに打ち勝たせ」
ひとつの山を越えさせてくれた担当メンターの聡明さに今日は乾杯したいと思います。
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