98.鉄人
2021年03月01日
鳶や足場は、建物が高層やデカ物の案件になると、必然的に人手が必要なので本隊の他に様々な応援やら派遣さんの集合体で仕事をする事が多いです。
先日もそんな最中、10代の若い子が足を引きずって作業にあたっていました。
腰痛がひどくて足まで痺れて、座ることも歩く事もツラいから休ませてくれと、彼の会社の社長に言ったが
「甘えるな」
と休ませてくれないという。
社長は俗に言うグレイな人らしい。
うちの若い衆もたまにそういった相談をしてくるが、もちろん私はできる限り協力的にしている。
なぜなら彼らを理不尽にこき使えば、反感は積もるし、結果怪我に至ればどれだけお願いしようが、仕事にはならないのだから。
私は昔から「男の体は消耗品」だと考えているからこそ、どれだけ彼らがストレスを貯めず、どれだけ現場内で負担の無いようにするかに全力集中している。
ただでさえ過酷な足場というお仕事。
食べる為とは言いながら、よく休まず毎日出勤してくれるなと本当に強く感じている。
私も最近は現場が週3とか週4とかになり、事務色や営業色が強くなった。
たまに立て続けに現場に入れば、現役の彼らの動きのスゴさについていけなくなってきた。
そうなるのが嫌で未だに現場現役を貫いているが、
正直話にならなくなってきている。
それはやはり彼らが連日如何に過酷な中、無心に現場を納め続けて来てくれたか、その背中に他ならない。
決して甘えてなんかない。
むしろ彼らは「鉄人」だ。
世の勘違いした社長風情には、よくよく、彼らの叫び、話、体調に耳を傾けてやって欲しい次第だ。
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