⑰低価格競争の果て
2018年10月29日
今日は他社への応援、
最近は自社請け負い、応援要請、ともに毎日電話がかかって鳴りやまない(笑)
朝からテンションが高いその職長に「なにか良いことあったの?」聞いてみた。
そしたら明日から3連休らしい。
しかしただの3連休ではなく、
その会社で足場を始めて9年間で初の3連休をとったのだそうです。
彼らには日曜日も祝日も関係ない。
朝6時に集合して、家に帰るのは常に夜中12時を過ぎてるという信じられない生活を嘘抜きで毎日やっている。
その!3連休に、
有給とれるのにあえてとらないという。
なぜか?
「会社が赤字って最近言ってるんで、みんな大変な中で頑張ってやってるんで。働いてないのにお金なんかもらわなくていいっす」と平然と言ってのける。
今平成だよ?もうあと少しで年号変わるんだよ(苦笑)?
若干24歳の職長。
39歳経営者は単純にごおぉぉぉーんと感動しましたね。
そんな奴いるんだと(笑)
どうやったらそういう心が育つのかって。。
もちろん彼だけじゃなくて、そこの従業員は全員本当にこの過酷な労働条件の中で生活をしています。
そんな状況の中、
ピリつくことなく応援の私達にいつも明るく冗談言って場を和ませたり、
会社からの本当に理不尽な指示にもひたすら「すみません!」と手をとめることなく携帯を耳と肩で挟んで応対している。
足場は僕に合っている。足場が好きです。そう言ってる職長もいる。
そんな純粋で健気、
それでいて決して挫けないその強い根性心意気。
そんな彼らを素直に凄いと思いました。
本当に「敬意」を表します。
正直まともにみたら超超超ブラック企業で明らかに歪(いびつ)です。
そこの社長から聞きましたが、会社ひと月の固定費、維持費が1200万なんだそうです。
その会社本体の現場作業員は10人居ないですし、従業員に負荷がかかるのは当然ですよね。
でもそうでないと利益も出ないし、やっていけないんですよねたしかに。
しかし本当の諸悪の根源は、その会社の社長ではなく、仕事をふってくる元請けの足場代金の安さにあるのです。
戸建て1棟5万でやらせるふざけた元請けがある。
客が欲しくてそれでもやってしまう足場屋がある、またやらざるを得ない足場屋がある。
最終的には自分たちで自分たちの首を締めることになるんだよ?
そこまで考えない足場屋が多い。
常に自他ともに命が関わる業務で、携帯ひとつでなんでもできちゃうこの時代にいまだにAI化のできない職業なんですよ!?
報酬が高くていいはずなんです!おかしくないです!
稲妻宣言は折れませんよ。
愛しい従業員の為、私の家族を守る為、そして足場業界の為、さらには建築全体の底上げの為にです!
話は大分飛躍してしまいましたが(笑)
元に戻って
正直はっきり言って前述の彼らの状況は人道的な視点から見ると、許されてはならないものです。
こんなんじゃ彼らの人生もプライベートもあったもんじゃないですからね。
しかし到底常人では理解し得ない、その極めて歪な労働環境の中においてでも、
自分を保ち、
ただ無心に会社へ捧げるその純心に、不思議と心を打たれるのです。
「ガチ」ってカッコいいんだなって。
何はともあれ元請けの皆様、
足場は命がけです。
誰でもできる仕事じゃないです。
工賃高くておかしくないんです。
前述の会社は特にブラックですが、足場屋はまあどこも大体みんなこんな体質でやっているんです。
その悪循環はそもそもの工賃の低さから来ています。
まずは元請けから変わりましょう。
それが、肉体労働者の生活を豊かにし、その豊かな業界に憧れて入ってくる新入社員の数と質の向上を少しずつ実現させ始めるのです。
人間皆豊かになりたくない人などいないと思います。
それにピラミッドの上の方からまず一役買いましょうと言っているんです!
日本の若者が寄り付かなくなった建築業界に一石を投じましょうではありませんか!
ではまた