148.『天才を喰らう』
2025年01月22日
どんな人間も必ず毎日休まず行う行為に
「食」がある。
毎日休まず行う最重要項目だからこそ、良くその人間の人生哲学みたいなものが出ていたりする。
ある人は、
「そもそも人間は生きる為に食べる訳だから、食べる事にお金がかかってしまうことは間違っていない」と言う。
またある人は、
「どんなに最高級で超絶レアな予約待ち数年かかる高級料理を食べようが、コンビニ弁当を食べようが、結局最後は全部同じうんちにしかならない。だからそこにお金と熱量をかける意味を感じない」と言う。
私は、
「異業種の天才が創造したものを食す事で己の才能を奮い起たし、更なる自分のゼロイチ(クリエイティブ)に繋げる為に、世界的に賞賛され評価されている料理を敢えて求めていく。
食い道楽ともグルメとも美食家とも違う。
言うなれば「才食家」だ。
自分の中に眠ってる
天才達にしか引き出せない発見と脳内麻薬があるからそれを導き出したいのだ。
同業同種だと真似やパクりに繋がりフェイクなので、敢えて業種という学びの垣根をつくり避けている。
着火剤、ひとつのエレメントに過ぎないものに留めて、己の創造性を駆使工夫しないと敢えて形に成らないように気をつけて選別して摂取を心掛けている。
当たり前の理屈をこねれば、天才で居る、天才に成る、天才で在り続ける、には天才を喰らうのが一番に決まっている」
という考えだ。
ジョエル・ロブションなき今現在もミシュランの最高位の称号である三ツ星を獲り続けている名店モダンフレンチの「ジョエル・ロブション」。
私が恵比寿のジョエル・ロブションに行ったのはもう十数年前のロブションがまだ生きていた時、一番格下のやつで一番リーズナブルなランチだった。
お通しのパンに
用意されたバルサミコソースが1滴だけ足らしてあるだけの美しいオリーブオイルをつけて口に入れた瞬間本当に脳と背中に稲妻が走った。
そして
「料理って馬鹿じゃ作れないじゃん」
と初めて知った。
本当に感動した。
その感動が忘れられず、あの日の衝撃が今のこの私の食べることへの哲学と熱意を創造した。
天才にしか導き出せない発見と脳内麻薬が確かにそこにはあった。
0
0